第18回創外固定・脚延長学会の会長にご指名くださいまして誠にありがとうございます。有意義で楽しい学会になるよう準備を進めておりますので、是非ご参加ください。
従来は、創外固定法は内固定も外固定もできない骨折に対する仮固定法であり、最終的には内固定か外固定に変更する必要があると考えられていました。この考えが変わるきっかけになったのは,DeBastiani先生のDynamic
Axial Fixation (DAF) 理論と、Ilizarov先生の脚延長理論ではないかと思います。DAF理論によって創外固定のままでも骨癒合が得られるようになり、Ilizarov法によって骨移植なしで骨欠損の補填ができるようになりました。その結果、骨欠損や高度の汚染を伴った開放骨折の治療が、それまでに比べて格段に楽になりました。また、骨折の合併症である偽関節や骨髄炎の治療が容易に確実に行なえるようになりました。
このように近年著しく進歩した創外固定法ですが、ここ数年は進歩がやや停滞しているように思います。今回の学会では、骨折の治療を中心に創外固定法をもう一歩前進させたいと考え、骨折治療の最初のステップである「新鮮骨折への応用」と最終ステップである「偽関節と骨髄炎の治療への応用」とを主題に取り上げました。重度外傷の治療において最も難しくかつ治療成績に大きな影響を及ぼすのがこの二つであり、この二つのステップを進歩させることによって重度外傷の治療成績が格段に向上すると考えるからです。これら二つの主題については,ロシアのKlyuhshin先生とイタリアのVarsalona先生による特別講演もお願いしてあります。
もう一つのユニークな企画はオールナイトディスカッションです。学会の演題は時間的な制約から5分発表3分討論程度の時間しかかけられません。そこで、極めつけの難治症例を十分な時間をかけて検討し治療法を探ろうというのがこの企画の趣旨です。ホテルに会場を移して、懇親会でおいしい夕食を楽しんだ後、ワイン片手に一症例に20〜30分かけ夜を徹して議論しましょう。二日目の朝の開始時間は遅くする予定です。
また,一般演題も広く募集いたしますので、是非奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。
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